公職選挙法違反(買収)で刑事告発され、検察審査会で「起訴相当」と議決されていた前経産相、菅原一秀衆院議員が6月1日、議員辞職した。
【写真】後藤田正純衆院議員対し、徳島県連が党本部へ出した申し入れ書はこちら
今週中にも、東京地検が略式起訴の処分をするとみられるためだ。
<私の政治活動において、一部、公職選挙法に触れる部分があり、当局の事情聴取に多くの時間を使って丁寧に説明してまいりました>
菅原氏が1日付で公表した文書は、公職選挙法に抵触していたことを認めるような内容だった。
「菅原氏の辞職は、解散総選挙を控えて想定していたこと。辞職して、略式起訴を受け入れるという意味だ。自民党にとっては、次の候補を誰にするか、頭が痛い」(自民党東京都連所属の衆院議員)
公職選挙法違反となれば、菅原氏は公民権停止となる可能性が高く、一定期間は選挙に出馬できない。同じ公職選挙法違反で有罪になった河井案里氏は公民権停止5年間だ。
早くも菅原氏の地元、衆院東京9区では「次の候補」として、区議や都議などの名前が自民党内で上がっているという。東京9区は直近では3度連続で菅原氏が小選挙区で勝利してきた。だが、次の候補を決めるにも菅原氏の意向にも配慮すべきとの声もある。
「菅原氏は菅首相に近い。公民権停止が3年なら次の次の衆院選の出馬は可能です。今年の衆院選はみそぎで候補者を出さない方がいいという声もある。そうなると保守系無所属で出馬するという人もいるので、さらに混乱する可能性もある」(自民党幹部)
混乱しているのは東京9区だけではない。とりわけ、安倍政権での衆院選はすべて自民党の圧勝。長く現職が居座るので、自民党から出馬したくてもなかなか順番が回って来ず、「保守分裂」となっている小選挙区がいくつもある。
東京・永田町の自民党本部には5月17日、山口俊一徳島県連会長と県連幹部の姿があった。県連側が山口泰明選対委員長に手渡したのは、「申し入れ書」。衆院徳島1区、自民党から7回当選の後藤田正純衆院議員を次期衆院選では「非公認」とするように要請したのだ。