日本各地で大きな地震が起きている。5月に入ってから、1日に宮城県で最大震度5強、熊本県で震度4の地震が起こった。編集部で独自調査を行ったところ、この1年間で地震が多数起こっている地域と、地震が起こっていない地域が見えてきた。
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「最近、地震が多くて、少し怖いです。地震が少ない地域に引っ越したい」
こういうのは東京都に住む女性(36)だ。2月13日に福島県沖でマグニチュード7.3の地震が起き、福島県、宮城県で震度6強を観測した。東京でも震度4の揺れが起こり、東日本大震災の記憶が蘇ったという。地震が少ない地域というのはあるのか。
そこで編集部では、気象庁の「震度データベース検索」を使い、2020年4月から今年3月までに全国の自治体で起こった震度1以上の地震の回数を集計した。先ずは日本全国で起こった地震の状況を見ていこう。
地震が多い地域、少ない地域を見やすくするために、3Dマップを作製した。動画を見てもらいたい。全国の自治体で観測された地震の平均回数は16回だった。そこで1から16回の自治体を青色、17回から32回までを黄色、33回以上を赤色、0回をオレンジ色にした。
見てわかるのは、東北地方の地震の多さだ。岩手県で最も回数が多かったのは一関市で163回、宮城県では石巻市が182回、福島県では田村市が182回と最も多かった。東日本大震災後も余震が続いているためだ。
その影響を受けて、関東でも地震の多さが目立つ。茨城県では日立市が最も多く150回、千葉県では香取市が72回、東京都では千代田区が64回などとなっている。北海道でも太平洋側の地域で、地震の多さが伺える。根室市では72回と多い。
反対に西日本では地震が少ない地域が目立つ。東北大災害科学国際研究所の遠田晋次教授(地震地質学)はこう説明する。
「東日本の場合は、震源が深いところにあるのが特徴です。その結果、揺れが広範囲にわたり、一度の地震で揺れる自治体も多くなります。他方で西日本は震源が浅いのが特徴。その結果、揺れも局所的になり回数も少なくなるのでしょう」