
夏休みを目前に控え、国内外で人の動きが活発になっている。 一方で気になるのが感染の再拡大だ。「第7波」とどう向き合えばいいのか。AERA 2022年7月18-25日合併号から。
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人出が活発になり、人との接触が増えれば、感染リスクが上がるのは致し方ない。この夏、帰省や旅行を考えている人は、何を念頭に置いておくべきか。
国際医療福祉大学熱海病院臨床検査科の〆谷直人検査部長は言う。
「帰省や旅行前の2週間ほどは、会食などリスクのある行動は控える。発熱など何らかの症状がある人は予定を延期する。出先で風邪などの症状が表れたら、ただちに最寄りの有症状者相談窓口に相談する。いずれも従来から言われていることです。『密』の回避は非常に重要です。帰省先や旅行先でも大人数の飲食は避け、大声での会話は慎むべき」(〆谷部長)
国立病院機構仙台医療センターウイルスセンター長の西村秀一さんはこうも話す。
「高齢者はコロナに限らず感染症で重症化しやすい。帰省先に高齢者がいるなら、帰省時の体調に注意してください。また、子どもはまれとはいえ、クループという呼吸が苦しくなる症状や、熱性痙攣(けいれん)、脳症などのリスクがある。呼吸困難や発熱による異常があれば、速やかに小児科へ行ってください」
つまり、基本的な感染対策はこれまでと変わらない。だが、マスク着用の合理化がアナウンスされているいまだからこそ、いま一度基本を徹底すべきだ。
「夏に限らず、外ではマスクを外すのが基本。ただし、屋外でも大勢が密集する場や、換気の悪い屋内では、感染リスクを正しく判断し、着用することが大切です」(西村さん)
日本医師会副会長で角田外科消化器科医院院長の角田徹さんは、3回目のワクチン接種を強く勧める。国内では約80%の人が2回目接種を終えたが、効果は時間とともに低下する。それを引き上げるのが3回目接種だ。