さわけん/科学する料理研究家(提供)
さわけん/科学する料理研究家(提供)

 コロナ禍で旅行がままならないなら、胃袋だけでも満たしたい。科学する料理研究家で『激ウマ!から揚げレシピ』の著書もあるさわけんさん(53)に自宅で作れる六つのご当地からあげレシピを伝授してもらった。

 まずは、からあげの基礎知識から。さわけんさんはこう説明する。

「からあげは中国からきた料理で、下味をつけて片栗粉をまぶし、油で揚げるシンプルなものです。日本に広がる過程で片栗粉が小麦粉になったり、しょうゆや塩のほか、その地域の土着料理として変化していきました」

●ザンギ(北海道)
<br />衣のカリカリ度★★★
<br />冷めてもおいしい度★★
<br />手軽さ★★
<br />【材料】骨付きぶつ切り鶏もも肉…20本600g 醤油…大さじ2 こしょう…5振り 卵…1個 小麦粉…大さじ3(30g)
<br />【作り方】(1)鶏肉に醤油、こしょう、溶き卵、小麦粉を混ぜ合わせ3~4時間ほど漬け込む。(2)180度の油で5分ほど(時間は肉の大きさにより調整)しっかり揚げる。骨際にも火を通す。(3)酢、醤油、砂糖、おろししょうが、ごま油などでつくったザンギタレにつけていただく</p>

<p>「中国料理のからあげの形をよく残している。衣はカリッとしていて身はジューシー」(さわけんさん)「ザンギタレをつけて味変もオススメ」(記者)
●ザンギ(北海道)
衣のカリカリ度★★★
冷めてもおいしい度★★
手軽さ★★
【材料】骨付きぶつ切り鶏もも肉…20本600g 醤油…大さじ2 こしょう…5振り 卵…1個 小麦粉…大さじ3(30g)
【作り方】(1)鶏肉に醤油、こしょう、溶き卵、小麦粉を混ぜ合わせ3~4時間ほど漬け込む。(2)180度の油で5分ほど(時間は肉の大きさにより調整)しっかり揚げる。骨際にも火を通す。(3)酢、醤油、砂糖、おろししょうが、ごま油などでつくったザンギタレにつけていただく

「中国料理のからあげの形をよく残している。衣はカリッとしていて身はジューシー」(さわけんさん)「ザンギタレをつけて味変もオススメ」(記者)

 北海道の名物「ザンギ」もその一つだ。

「中国で鶏のからあげを意味する炸鶏(ザージー)に由来しているとも言われています。骨付きのぶつ切り肉にしょうゆ、こしょう、卵、小麦粉、タレをすべて混ぜ込み、下味の段階でよく漬け込むのがポイントです」

 タレ由来の濃厚な味わいと、卵を吸ったてんぷらのように分厚い衣が特徴だ。骨の際まできちんと火を通すことが大切だという。これに甘辛いタレをつける食べ方もあるというから、奥深い。

■「失敗したかも」が正解

 さらに濃い味好きにオススメなのが、栃木県の新名物「佐野黒からあげ」だ。栃木のご当地グルメといえば佐野ラーメンといもフライがすぐに思いつくが、第3の名物となることを目指して17年に開発された、からあげ界のニューフェイスだ。

●佐野黒からあげ(栃木)
<br />衣のカリカリ度★★★
<br />冷めてもおいしい度★★★
<br />手軽さ★★
<br />【材料】鶏もも肉…300g ソース…30ml こしょう…1g おろしにんにく…7g おろししょうが…10g 片栗粉…50g
<br />【作り方】(1)鶏もも肉にソースとこしょうを揉みこませて一晩おく。(2)おろしにんにく、おろししょうが、片栗粉20gをよく混ぜる。(3)残った片栗粉を加えて肉のまわりにまぶしつけ、ぎゅっと岩石のようにつける。(4)160度の油で2分揚げ、一度肉を引き上げて3分休ませる。(5)190度の油で2分揚げて完成</p>

<p>「ソースの味と香りがしっかりして美味しい。衣がザクザク!」(さわけんさん)「ビールが飲みたくなる!ソースがクセになる!」(記者)
●佐野黒からあげ(栃木)
衣のカリカリ度★★★
冷めてもおいしい度★★★
手軽さ★★
【材料】鶏もも肉…300g ソース…30ml こしょう…1g おろしにんにく…7g おろししょうが…10g 片栗粉…50g
【作り方】(1)鶏もも肉にソースとこしょうを揉みこませて一晩おく。(2)おろしにんにく、おろししょうが、片栗粉20gをよく混ぜる。(3)残った片栗粉を加えて肉のまわりにまぶしつけ、ぎゅっと岩石のようにつける。(4)160度の油で2分揚げ、一度肉を引き上げて3分休ませる。(5)190度の油で2分揚げて完成

「ソースの味と香りがしっかりして美味しい。衣がザクザク!」(さわけんさん)「ビールが飲みたくなる!ソースがクセになる!」(記者)

 黒々とした見た目は、インパクトも十分。ガリッとした分厚い衣は歯ごたえがあり、肉にはソースがよく染みて、ビールもぐいぐいすすむ。ううむ、このからあげ、侮れない。

「佐野黒からあげは肉にソースをたっぷり含ませることが重要です。ソースがべちゃっと余って、『失敗したかも?』と思うくらいで正解。それを片栗粉の衣で固めます」

 今回、唯一、鶏のむね肉を使った千葉の「みそピーからあげ」も、地域性を色濃く感じられる逸品だ。千葉県民には給食でおなじみ、ピーナツ味噌とからあげのコラボレーションは、おそるおそる口にすると、ねっとりとした味噌の甘みとピーナツの香ばしさがからんで、意外と白飯に合いそうな気がする。

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とにかく揚げるべし!