──更新の頻度ですが、これから毎日というふうになって行くんでしょうか。
「毎日というのはさすがに厳しいかと思います。週1でもけっこう大変で。15分間の1本の動画に10時間以上の撮影3日間ってものもありました(笑)」
──ロケ地にいる人を数えたら、酒井さん以外に10人いました。こんなに大勢で撮影しては赤字では? 再生回数に応じたギャラはちゃんと入って来るんですか?
「そうですね、今は考えてません。のちのち結果が付いてくればと思っています」
──YouTuberは企業からの広告案件での収入の割合が高いものですが、広告案件は?
「企業案件は今回、受けない形でやらせていただいてます。“先に与える”をテーマにして“先にお金ありき”は止めようと。良いものをこだわって追求すれば見て下さってる方の心に刺さると信じています」
現場を指揮するプロデューサーが酒井のギャラについてこう話し始めた。
「酒井さんのギャラは事務所のスマイルに直接振り込まれるようになっていますので中間搾取はありません」
企業案件をやらないという点に関しては、こう説明した。
「1回目の動画でも冒頭で、ご本人が話していましたが、得る喜びもあれば与える喜びもあるのではないでしょうか。こんな世の中だからこそ、誰かを笑顔にしたいとそれだけを掲げて活動を続けて、みんなで助け合えばどんな世の中も誰も困らないはずというのを体現したいです。エンターテイメントの持つ力は間違いなく誰かを笑顔にするための力ですからね」
この日のロケでは、20年、30年とテレビ局で撮影現場を引っ張ってきたベテランもいた。
「あえて、YouTube寄りのスタイルで制作しないのも面白いかなと考えています。iPhone一つで自撮りしたYouTuber達が一時代を築きましたが、逆にオワコンやオールドメディアと言われる平成を支えてきた映像職人とも言うべきクリエイターが新たな土俵で本気で戦ったらどうなるのか。その辺りも楽しんでいただけたらと思います。画面の裏側には実は大勢のスタッフが手間ひまかけてる。そんなベテラン職人の息吹を画面越しに感じていただけるよう、挑戦していくつもりです」(同)
初回動画ではドローンを飛ばす映像があったが,二作品目でも、ドローンを飛ばし、その下を酒井が走る雄大なシーンがある。そして、酒井が手にする本の中表紙には「絶望の日まで 希望のタネを蒔く」と、対談相手のメッセージが書かれていた。
2回目の配信は5月7日午前6時に予定されている。2作目から真価を問われそうだ。(AERAdot.編集部 上田耕司)