個別株に目を移すと、驚くほど長期的な株価上昇が続いているのが「GAFA(ガーファ)」。グーグル(親会社の名前はアルファベット)、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字を並べた米国巨大IT企業の総称だ。ここにマイクロソフトのMを加えて「GAFAM(ガーファム)」ということもある。
「『さすがに上がりすぎじゃないですか?』と質問されると、私は聞き返します。『あなたはもうアマゾンでネット通販するのをやめますか?』『グーグルで検索するのをやめますか?』『iPhoneを使わなくなりますか?』と。みなさん、ムムム……となりますね(笑)。企業のサービスや商品を使う人がいる限り、成長は続きます。株価も上がります」
たとえば、アマゾンの登場で、米国の小売売上高に占めるネット通販の比率は全体の14%まで上昇した。まだ14%なのだ。成長の余地は十分にある。
米国株には配当金をたくさんもらえる「高配当株」や、毎年、配当金の額を増やす「増配株」も多い。たとえば「マルボロ」で有名なたばこ会社のアルトリア・グループ、電話会社のAT&T、石油メジャーのエクソン・モービルの今期予想配当利回りはいずれも6%台(2021年3月現在)。
50年以上、60年以上にわたって配当金を増額してきた「連続増配株」も多数存在する。日本人にもおなじみの企業は、プロクター・アンド・ギャンブルが63年、スリーエムが62年、コカ・コーラが58年も配当を増やし続けている。
日本にも花王や小林製薬などの優良増配株はあるが、トップの花王で31年、20年選手が数社、といった具合で50年以上も増配を続けている企業はない。
米国の連続増配株などに投資をして成功した個人投資家は多い。会社員時代の年収は最高450万円程度だったが、節約生活で貯めた資金を株式投資で増やし、資産1億円を達成したおけいどんさん(@okeydon)もその一人。
当初は日本株に投資していたが、2020年に会社を退職して「FIRE」を達成した原動力は、米国の連続増配株への投資だった。