――発熱や呼吸器症状がみられた場合、すぐに病院に行くべきか、それとも自宅で様子を見るべきか、迷います。

 もし何らかの症状がみられた場合、3つの注意すべきファクターがあります。

 まずは、インフルエンザおよびコロナの流行状況です。住まいや移動範囲においてインフルエンザおよびコロナの感染者数はどうなっているか、コロナのPCR検査の陽性率はどうなっているか。より範囲を狭めた会社、学校、家庭などではどうか。

 次に症状が出た日からさかのぼって1週間くらいの人との接触はどうだったか?インフルエンザはウイルスに感染してから症状が出るまで平均1~3日、コロナは5~6日と言われています。この間に接触した人で、インフルエンザまたはコロナを発症した人はいないか。特にコロナでは、マスクをせずに会食をするなど、感染リスクを高める機会がなかったか。

 たとえば、コロナ感染者数が激増している東京に住んでいる、あるいは通勤などで頻繁に東京に行っている、そして最近複数との会食をした、といった場合、症状が軽くても「大丈夫だろう」などと自己判断して、出社するのはやめていただきたい。それが感染拡大につながる可能性があります。

 最後に、何らかの病気をお持ちで通院中の方、ご高齢の方は要注意です。がんで治療中の方、呼吸器や腎臓、心臓に病気をお持ちの方、糖尿病、肥満などの方は、高齢以外でも重症化リスクが高いといわれています。

――医師の診断が必要です。

 ただし、連絡なしで直接病院へ行くのはやめてください。インフルエンザの疑いが濃厚な場合も同様です。各医療機関は、インフルエンザの疑いがある人、コロナの疑いがある人とで、診療のルートを分けています。虎の門病院でも、コロナの疑いがある人は、特別外来で診察を行っています。

 何らかの症状があり、もしかして、と思ったら、まずはかかりつけ医、地域の身近な医療機関に電話をかけ相談してください。かかりつけ医がいない場合や相談する医療機関に迷う場合、土日や夜間などでかかりつけ医が休診の場合は、住まいのある都道府県や自治体が設ける発熱相談センターへ電話をかけてください。電話をかける前に、いつくらいから症状があるか、どんな症状があるか、インフルエンザやコロナの疑いがある人との接触の有無など、漏れなく伝えられるよう、メモしておくといいでしょう。

 ここでコロナ感染の疑いがあると判断されれば、PCR検査センターやコロナの特別外来を受診するよう指示があります。インフルエンザが疑われる場合も、それに応じた指示があります。

 繰り返しになりますが、決して自己判断をしない、直接医療機関へ行かないなど、冷静に行動してください。

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インフルになったら出社はいつから?