「決して安い買い物ではありません。でも、白内障のことや、定年後に屋外で活動する機会が増えることを考えると、目を保護し、いい見え方のするサングラスがあれば快適。そのための投資ならしてもいいと思いました」(堀井)

 各種検査やレンズの選定にかけた時間は約2時間。後日、加工が済んだサングラスの受け取り時に、目とレンズの位置や鼻パッドの高さなどのフィッティングを行った。

「眼鏡店では測定やレンズ選定、フィッティング調整などを行います。日本眼鏡技術者協会が定める『認定眼鏡士』という資格がありましたが、今年から『眼鏡作製技能士』という国家資格に移行します。この資格を持っている人が在籍する店で眼鏡やサングラスを作ると安心です。ただし、僕たちは眼鏡のスペシャリストですが、目の病気の発見や治療はできません。眼鏡やサングラスを作ろうと思ったら、まずは眼科で診察してもらいましょう」(伊藤さん)

 眼科専門医でみさき眼科クリニック院長・石岡みさき医師も、一度は眼科に来てほしいと話す。

「特にシニア層で眼科にかかっていない方は、1回は眼科に来てほしい。眼鏡をかけても視力が出ない場合は目の病気の可能性があります。また、そのときに眼底写真を撮ることをおすすめします。緑内障などの早期発見につながるからです」(石岡医師)

 最近は、眼鏡店で測定を行い、その場で眼鏡を作る人が多いが、本来は眼科で眼鏡の処方箋を作ってもらい、それに基づいて眼鏡店で眼鏡を作るもの。サングラスでも度付きを考えているなら、信頼できる眼科で処方箋を作ってもらうのも一つの方法だ。

「眼科で眼鏡の処方箋を作ると費用がかかると考えている人が多いのですが、実はほとんどかかりません。ただし、時間はかかります。視力などを測定して、どういうときに使うかなどをヒアリングし、テストレンズで試してもらう作業があるからです。眼鏡のフィッティングや、その人に似合うかどうかのアドバイスは眼鏡店で経験豊富な店員さんに頼るといいでしょう。ベテランの方だと自身の経験も交え、白内障や老眼、まぶしさなどを考慮に入れてアドバイスしてくれるはず」(同)

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