●体臭を減らすにはどうすればいいか

 では、どうすれば体臭を減らすことができるのか。

 皮膚常在菌による代謝物のニオイは、皮膚常在菌に脂肪酸を与えなければいい。つまりは体をよく洗うのだ。

 特にアポクリン腺は脇や陰部、乳首など体毛がある部分に分布するので、集中的にキレイにする。加齢臭とミドル脂臭が発生する頭頂部から後頭部は頭皮の脂肪酸を洗い流すつもりでよく洗う。

 その上でメーカーの制汗剤を使う。銀イオンなど金属イオン、柿渋やアンズの種などが菌の増殖を止めることがわかり、配合されている。

 肉食も抑えた方がよさそうだ。肉食が多くなるとアポクリン腺の分泌が増えるので体臭がきつくなるからだ。

 では疲労臭やストレス臭はどうするのか。

 体の内部から出てくるニオイなのだから、内部を対策するしかない。

 疲労臭の原因は肝臓の処理能力の低下が原因だから、肝臓をケアする。暴飲暴食を慎めということだ。

 東海大学理学部化学科教授の関根嘉香氏によれば、疲労臭と大腸には密接な関係があるという。

 アンモニアが発生するのは大腸。アンモニアは大腸から肝臓へと運ばれ、尿素に分解されるので、元となる大腸でアンモニア発生を減らせば疲労臭は抑えられる。

 大腸ではアミノ酸を悪玉菌(腐敗菌)が分解してアンモニアが発生するので、ビフィズス菌を増やすことで悪玉菌の活動を抑え、アンモニアの量を抑制できる。ビフィズス菌を増やすには、彼らの栄養源となるオリゴ糖をとるといい。

 ストレス臭は何よりもストレスを減らすのが一番だ。

 また、資生堂ではストレス臭をマスキングするケア商品を販売しているので、試してみてもいいだろう。

●モテたければ草食系になれ

 では、他人に好ましく思われる体臭に変えるためには何をすればいいか。

 結論から言えば、果物を食べろ、野菜を食べろ、だ。

 オーストラリア・マッコーリー大学のイヴァン・ステファン氏の研究で、野菜や果物を中心に食べる男性の体臭が女性に好まれることが判明した(果物と野菜を多く食べる男性のニオイは女性にとって魅力的)。

 逆に嫌われる体臭は、パンやパスタ、お菓子などの炭水化物を食べる男性の体臭。これは健康状態と関係しているらしく、女性は男性が健康であるかどうかをニオイで判断しているようなのだ。

 どんぶりメシに焼き肉の昭和のおじさんは、恋愛市場では酒を飲まず低炭水化物ダイエットの令和の草食男子に、体臭からして勝ち目がないのである。

 中年男性のみなさん、野菜や果物をしっかり食べて、肉食は控えめにし、毎日風呂で体をよく洗いましょう。