どこがどう変わったかを対比観察できる大塚駅前停留所の定点撮影。大塚駅前折り返し用の分岐器はこの場所に移設された。背景にはJR山手線の新鋭電車E235系が写っている。(撮影/諸河久:2020年7月11日)
どこがどう変わったかを対比観察できる大塚駅前停留所の定点撮影。大塚駅前折り返し用の分岐器はこの場所に移設された。背景にはJR山手線の新鋭電車E235系が写っている。(撮影/諸河久:2020年7月11日)

 最後のカットが現在の大塚駅前を発車する都電で、周囲の変化を旧景と対比されると面白い。大塚駅に停車する新鋭E235系電車の背景には高層ビルが林立し、荒川線の軌道の周辺も防護柵や電柱が雑然と設置されている。大塚駅前交番も半世紀前と同じ場所にリニューアルされて所在する。

 撮影から半世紀で都電車両も変わったが、山手線の車両も101系→103系→205系→E231系500番台→E235系と世代交代していることに気が付いた。

 普段はJR山手線と都電の乗降客で賑わう大塚駅前だが、訪問時には人通りも疎らだった。「コロナ禍が早期に収束して、以前の生活に戻りたい」と願いつつシャッターを切った。

■撮影:1965年11月23日

◯諸河 久(もろかわ・ひさし)
1947年生まれ。東京都出身。写真家。日本大学経済学部、東京写真専門学院(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。鉄道雑誌のスタッフを経てフリーカメラマンに。著書に「都電の消えた街」(大正出版)、「モノクロームの私鉄原風景」(交通新聞社)など。2019年11月に「モノクロームの軽便鉄道」をイカロス出版から上梓した。

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