コロナショックは「健康が一番大事」という当たり前のことを突きつけた。感染症も恐ろしいが、高齢化社会で最大のテーマが認知症だ。厚生労働省によると、認知症の人は2025年に高齢者の5人に1人になるという。
84歳の現役医師の著者はがんの専門家。死への覚悟を深め、「よりよく老いる」ことがボケないことにつながると説く。
生活習慣や食事法などの改善ポイントも指摘する。
弊誌連載のコラム「『健脳』養生法─死ぬまでボケない」が文庫になり読みやすくなった。
江戸時代に83歳まで生きた貝原益軒は「人生の幸せは後半にあり」と記す。健康寿命を延ばすためにも、同じ著者の『貝原益軒 養生訓最後まで生きる極意』(朝日新聞出版)と併せてすすめたい。(多田敏男)
※週刊朝日 2020年6月26日号