老後資金確保に向けて原則となる資産運用の考え方は、「長期・分散・積み立て」に基づき、低コストの投資信託で国際分散投資を行っていくことだ。その際、決してやってはいけない「3箇条」を解説する。
※「週刊ダイヤモンド」2020年5月23日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。
●【その壱】暴落しても積み立てをやめない 長期投資の間は必ず下げ局面に見舞われる
新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、3月に世界中で連鎖的な株安の動きが広がった。その結果、つみたてNISAなどを通じて積み立て投資を行う多くの投資家も、含み損を抱える状況に陥っている。
当然、虎の子の老後資金が目減りしては不安に思うのも仕方がないが、ファイナンシャルプランナーの横川由理氏は、「相場が下げたからといって、決してすぐに積み立て投資をやめたり、積み立てた資産を売ったりしてはいけない」と強調する。
積み立て投資においては、相場が下がったときはむしろ通常より多くの口数を購入できる好機となる。そして、そうした局面の購入によって平均買い付け価格が下がるほど、将来値上がりした際のリターンも大きくなる。
コロナ禍の先行きは読み切れず、今後、株式市場が二番底に向かう可能性も否定できない。だが、少なくとも従来は国際分散投資を長期で行っていれば、相場は復調を繰り返してきただけに、長い目で淡々と積み立てて、将来に備えるようにしたい。