●喫煙者の鼻毛は本当に伸びるのか
ウソかホントかよくわからない喫煙の噂はいくつもある。
有名なところでは、たばこを吸うと鼻毛が伸びるというもの。
鼻毛は外気のフィルターなのでなんとなく本当っぽいし、愛煙家の多くはたばこを吸っていたらなんとなく鼻毛が伸びた気がしていると思うが、これは間違い。医学的にそういうことは起きないそうだ。
でも伸びたぞという人は、長年にわたりたばこを吸っていることを勘定していない。たばこを吸っている間に、自身が年を重ね、老けてしまったのだ。
老けると体毛が伸びる。眉毛も耳毛も鼻毛も、だ。
だから鼻毛が濃くなったら、「たばこのせいだ」ではなく「俺も老けたな」と思い、健康のための行動を考え始めるのが正しい。
たばこをやめたら太ったという人もいる。では、たばこにダイエット効果はあるのか?
京都府立医科大学の論文「ニコチンのノルエピネフリンに対する影響と褐色細胞組織における熱産出、MSG肥満マウスの代謝について」(Effect of Nicotine on Norepinephrine Turnover and Thermogenesis in Brown Adipose Tissue and Metabolic Rate in MSG Obese Mice)によると、喫煙により褐色細胞(脂肪燃焼をつかさどる細胞)の熱生産が高められ、ニコチンを直接打ち込むと効果が大きいということがわかったのだそうだ。
この他、ニコチンが消化吸収を抑制する、血糖値を下げるために脂肪が燃焼するなど諸説ある。
実際、ニコチンダイエットをやっている病院もある。ウソか真か、ニコチンパッチを貼ると、2カ月で2~5キロのダイエット効果があるそうだ。
たばこを吸うと歯が抜けるという話もある。これは本当。
ニコチンが血管を収縮させることと、口を開けるので口の中が乾燥するため、歯周病が悪化するリスクがあるのだ。
入れ歯になりたくなかったら、早々に禁煙することをお勧めする。
一方、メンソールたばこを吸うとインポテンツになるというのは、戦後の与太話にすぎない。
中には「米軍が日本人を弱体化させるためにメンソールたばこを売り出した」と、まことしやかにささやかれたフェイクな都市伝説もあった。