■収入激減で今後が不安

 北関東の出身で文学部4年のBさんは、現在も東京で生活している。帰省によって感染拡大が懸念されるという報道を目にしたことから、3月20日ごろに東京にとどまることを決めた。親戚からは、北関東で暮らす祖父母が高齢でウイルスをうつすと重症化するリスクが高いことから、帰省しないようにとも言われたという。

 都内のアルバイト先は緊急事態宣言の発令に伴って休業したため、収入が激減した。「親からの仕送りの額を増やしてもらいましたが、この状況が何カ月も続いたらさすがに厳しいですね」

 新型コロナウイルスの影響は金銭面にとどまらない。学内の図書館が全て閉館しているため、卒業論文執筆に向けた研究が十分にできていない。「入社予定の企業の入社条件が『卒業すること』なので、万が一卒論を完成させられなかったときのことを考えるとぞっとします」

 東大は、前期分の授業料の引き落とし日を、当初予定していた5月27日から2カ月後の7月27日に延期することを発表した。新型コロナウイルス感染拡大防止のための学内活動制限に伴う措置であるとしている。金額は日付変更前から変わっておらず、Bさんは「(図書館などの学内施設を十分に利用できない)この状況が続くなら、授業料の減額も視野に入れてもらいたい」と話した。

(文/東京大学新聞社・中野快紀)

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