第3次世界大戦を危惧する声もある。保阪さんは「世界大戦を意図的に起こそうなどとは誰も思わない。ただ、第1次世界大戦もそうでしたが、偶発的なきっかけから起きてしまう可能性は内在している」としたうえで、中国について指摘する。
「中国は、チベットや新疆ウイグル自治区での人権弾圧に対しても『民主主義はそれぞれの国に独自の発展性がある。我々の民主主義に米国が介在する必要はない』などと言っています。『開き直り』の累積化は軍事的緊張につながり、極めて危険です。中国の世界観や世界戦略が、この21世紀の時代を動かしていくでしょう。そんな中国を各国がどう見てどう理解し、どう批判していくかが重要な鍵になってくると思います」
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2022年7月11日号より抜粋