漫画家の大日野カルコさんは、勤めていた会社が倒産し、失業。揚げ句に離婚し、実家に出戻るが、漫画家業はうまくいかず、焦るばかり。さらには、実家の階下に住む老夫婦がクレーマーで、心療内科に行くまでに……と、ここ10年ほど、底辺の日々を送っていた。そんなとき、出会ったのが「ヨガ」。意識の変化が大きかったという。大日野さんに、新型コロナウイルス感染予防のために自宅で過ごす人でも取り入れやすい「家ヨガ」を教えてもらった。
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■意識が低い人こそ、ヨガの世界に飛び込んでほしい
「ヨガは、意識が高い人がするもの、と思っていました。でも、やってみて、私のように“意識が低い”人間にこそ、向いているんじゃないかと思ったんです」
と大日野さんはヨガを「意識が低い人」にも勧める。きっかけはネガティブな姉の変化。口を開けば、「しんどい」「眠い」「もう動かれへん」といった言葉ばかり発していた姉が、「ヨガ、めっちゃ気持ちいい!」とニコニコ顔で言うので、「これは何かある!」と、大日野さんもヨガスタジオで体験してみたという
すると、独身、実家暮らしに変わりはないが、意識はまったく変わった。ダメな自分も「これが私なんだから」と受け止められ、気持ちがフラットになって、焦らなくなった。いつ老夫婦からクレームを言われるかわからない自宅でビクビク過ごすより、ヨガスタジオに出かけることで、“逃げ場所”ができ、ヨガをしているときは気分転換できた。大日野さんはヨガにどはまりし、その体験を『意識低い系ヨガのすすめ ~ヨガを始めたら自分を好きになれました~』(ナツメ社刊)にまとめ、出版したほどだ。
「『興味はあるけれどなんとなく敷居が高い』『病気ではないけど体に不調を抱えている』といった人も、思いきってヨガの世界に飛び込んでみればいいと思います」
と大日野さん。ヨガはどんな人も包み込む包容力が半端ないのだ。
■普段の生活にもヨガのポーズを取り入れられる!
「新型コロナの影響でヨガスタジオも休講しているところが多いですよね。スタジオに行けなくても、ヨガはどこでもできるのもいいところです」