――自分のこだわりを出せるのが楽しい?
そうですね。昔から薬師丸ひろ子さんが好きで、『セーラー服と機関銃』のサントラを繰り返し録音しては聴いて、というのもつくっていました。レコードに語りが入っていて、劇中セリフと薬師丸さんのモノローグで進むんです。撮影のときにどう思っていたか、監督のOKがなかなか出なかったとか。最後は歌で終わるんだけど、そんなのをまとめて1本分つくったり。自分の好きなところや曲だけ入れるとかいいですよね。
――テープをつくるのはやっぱり楽しいのでしょうか。
収録分数が決まってるとか面倒なところもありますけど、エディットできるのはいいですよね。それに、終わりや区切りがあるのも、子どもがいる友だちは、あえてYouTubeを見せないようにしてるって言ってました。自動で次々に動画が流れちゃうので、終わりがないからって。
それと、古いラジカセもほしくなりますね。むかし、ニューヨーク行ったときとか、向こうで流れてるラジオを録ってたんです。日本に帰っても聴けるように、と。DJのミックステープも売ってたからいろいろ買ってました。当時のヒップホップは新譜をミックステープやラジオで知る文化だったので、カセットを使ってた期間も長かったですね。いまはどっかにいっちゃったけど。
――いまでもテープを買うことはありますか?
中古屋ではコーナーを見るようにしています。昨日も行ったけど、カセットなのに高いんですよね。買えなかった。でも、近くに8センチCD(短冊形のシングルCD)が大量にあって、いま掘るべきはこれかも!? と思ったり。だって、100円とかで買えるんです。デザインもいいし。あ、でも、小沢くん(小沢健二)や岡村ちゃん(岡村靖幸)のはすごい高かったな。8センチCDに対応してないプレーヤーとかあったから、アダプターをつけて聴いたりしてましたよね。
――面倒だったり不便だったりするのもイイんでしょうかね。
こういう時代だからこそ逆に楽しくなっちゃったのかもですね。
(構成/編集部・福井しほ)
※AERAオンライン限定記事
■スチャダラパー
Bose(ボーズ)、ANI(アニ)の MCと、SHINCO(シンコ)のDJからなる3人組。1990年5月5日にアルバム「スチャダラ大作戦」でデビューし、94年には小沢健二との共作「今夜はブギー・バック」がヒットし話題に。デビュー30周年を迎える2020年5月に、NHK大阪ホールとLINE CUBE SHIBUYA(旧渋谷公会堂)で『スチャダラパー30周年記念公演 スチャダラ2020"アメージングヒューマンレガシー"』を開催