●豆はパッケージのまま保存するのがベスト
Specialty Coffee Association が発表した「The Coffee Freshness Handbook」によると、コーヒーは購入した袋のまま保存した方が長持ちする可能性が高い、と結論付けられています。
よくよく考えてみれば至極当然かもしれませんが、適切にパッケージングされたコーヒー豆は二酸化炭素によっていわばコーティングされており、購入後多少の開け閉めがあったとしても酸化が一気に進むことはありません。
しかし、ガラスの保存容器やタッパーなどに移し替える場合、ガラスの保存容器やタッパーは酸素が充満した環境です。したがって、せっかく二酸化炭素によってコーティングされた状態の豆を、酸素が充満した保存環境に移すことは、劇的なスピードで酸化を進めることにつながるのです。
保存パッケージは、パッケージの内側にアルミ箔が貼ってある光を通しにくいタイプの袋が理想的だと考えられています。また温度はできるだけ低い温度で保存するとコーヒー豆の新鮮さを保つことができるとわかっています。常温保存だと1週間から4週間程度しか新鮮さを保てないコーヒーでも、冷凍保存をすると約3ヵ月ほど保存期間を延ばすことが可能です。
すなわち、より新鮮さを保つための保存方法として適切なポイントは、次の3点です。
(1)コーヒー豆は購入時のパッケージのまま保存する
(2)店舗側が使用しているパッケージが遮光タイプだとなお良い
(3)高温多湿に気をつけ、できるだけ低い温度で保管する
したがって、遮光タイプのパッケージであれば、シンプルに買ってきた状態のまま低温で保存するのが最も効果的な方法です。
●バリスタの秘策は「冷凍保存」
保存方法は、お店や会社によっても記載が異なり、一体どの情報が正しいのか、コーヒー好きなら頭を悩ませた経験は一度や二度ではないはずです。
そこで私がご提案する方法は、コーヒー豆は購入後、問答無用で「冷凍して保存する」という方法です。なぜなら、コーヒー豆を冷凍することで、固体が液体になることなく気体になる昇華という現象が、約16倍遅くなるとされているからです。すなわち、保存温度を下げることで、コーヒーの香りや味わいを長く保つことができます。