70~200ミリF2.8は撮影ジャンルを問わず人気が高く、各メーカーが開発に力を入れており光学性能は文句なしに高く、特に数年内に発売されたミラーレス用は、いずれも優劣つけがたいほど性能は拮抗していると思う。
本レンズも描写性能はすさまじく、絞り開放から周辺まで超シャープな描写を堪能できる。
最近のパナソニックがこだわっているボケ味も極めてナチュラルだ。
そうしたトップレベルの光学性能を確認した上で、本レンズならではの特長はやはり手ブレ補正だ。LUMIX Sシリーズに装着した場合、ボディー内とレンズ側で協調して手ブレを補正するDual I.S.2により、200ミリテレ端側で最高約7段分の補正効果が得られるのだ。これは250分の1秒のシャッター速度でブレない人なら、2分の1秒でも大丈夫ということになる。試しに5メートル先の被写体を2分の1秒で撮影したところ、ホールドに自信がない筆者でもブレない確率は約6割だったので、最高7段という補正段数は信じてよさそうだ。現時点のフルサイズミラーレス機として、この手ブレ補正性能は頭一つリードしていると言える。
写真・文=河田一規
※『アサヒカメラ』2020年1月号より抜粋