【北海道・釧路、根室地方】エゾシカ、タンチョウ
冬の北海道は動物写真好きには魅力的な場所だ。エゾシカやタンチョウ、ワシ類、ハクチョウなど、大型でダイナミックな動物たちが撮影できるからだ。撮影ポイントの情報も多く、入門者にとってもよいスキルアップの場となる。
撮影時期は被写体の種類にもよるが1、2月の厳冬期がいいだろう。零下20度の極寒は経験したことのない美しい世界を見せてくれるはずだ。
広い北海道では車移動が基本になる。レンタカーで撮影スポットをめぐるのもよいが、冬道の運転リスクを考えれば撮影ツアーを検討するのもいいだろう。多くのツアーが開催される時期で、効率よく撮影スポットを巡ることができる。
レンズは16~35ミリのワイドズーム、24~105ミリの標準ズーム、100~400ミリの望遠ズームと1.4倍のテレコンバーターが基本。800ミリクラスがあれば理想的だ。極寒なので予備バッテリーや防寒着の準備をしっかりすること。
せっかく北海道まで行くのだからと、何カ所も訪れる人もいるが、私は1、2カ所に絞って時間をかけて撮影したほうが動物の動きがつかめ、撮影結果はよいと思う。
【茨城県水戸市】ハクチョウ
関東近郊にはハクチョウが越冬に集まる湖や池がたくさんある。私は水戸市周辺の池がお気に入り。朝日が差し込む時間が撮影のチャンスとなる池が多いので、黄金色に輝く中、いっせいに飛び立つシーンや力強い羽ばたきのシーンがねらえる。
越冬のために渡ってくる11月末ごろから、北の繁殖地へ帰る3月上旬ごろまでが撮影シーズン。ハクチョウは気が強く、縄張りに入ってきた個体を激しく攻撃する性格の持ち主。動きのあるシーンをねらうには繁殖地から渡ってきたばかりの縄張り意識が強い時期がいい。
池で休んでいる個体がいる場所にほかの個体が降りてくると激しいけんかが起きる。こんなシーンが撮影のねらい目だ。
比較的近距離から撮影でき、100~400ミリクラスのレンズでも十分楽しめるが、超望遠も欲しいところ。