●マラソン金メダリストも練習はウォーキングから
全身持久力を左右するのは「心肺機能」です。
心肺機能とは、吸い込んだ酸素を肺で血液に溶かし込み、心臓のポンプ作用で血流をうながして、全身に酸素を供給する働きのことです。
同時に筋肉などから排出された二酸化炭素を回収し、逆のルートで肺から体外に出す働きもあります。
全身持久力をアップさせるには、どのような有酸素運動をするといいのでしょうか?
これといった運動経験のない人、あるいは長年運動から遠ざかっている人におすすめなのは「ウォーキング」です。
歩くだけなら専門家に教わらなくてもできますし、整形外科的な疾患がなければ長時間続けても問題ありません。
シドニー五輪女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子さんは現役時代、マラソンの練習をウォーキングから始めていたといいます。
ウォーキングでいいフォームをつくり、それを体に覚えさせて、走りに活かしていたそうです。
高橋さんのような当時の女子マラソン世界記録を樹立したトップアスリートでも、ウォーキングという有酸素運動の基本を大切にしていたのです。
ウォーキングは、いつでもどこでも1人でもできるので、始めやすくて続けやすい運動です。
特別な道具は必要ありませんから普段着でも大丈夫ですが、汗をかいても平気な吸汗速乾機能のあるスポーツウェアや、歩きやすいウォーキングシューズを用意するとなおいいでしょう。
新たなウェアやシューズを買ってみると、気分も高まります!
●通勤や買い物のときに“遠まわり”してみよう
では、どんなペースで、一度に何分(何km)、週何回くらいやればいいのでしょうか?
気になる点はいくつか出てくるでしょうが、とにかく、まずは歩いてみることです。
最初は、5分でも10分でもいいです。
通勤や買い物のときに、いつもよりちょっと遠まわりするだけでもいいのです。
自分のライフスタイルにあったウォーキングの“寄り道コース”を見つけてみるのも楽しいものです。