青森行きの(2)のルートでは、仙山線に乗車して山形経由で青森を目指す (C)朝日新聞社
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青森行きの(2)のルートでは、仙山線に乗車して山形経由で青森を目指す (C)朝日新聞社

 東北本線経由なら、仙台から盛岡へ抜けて青森まで線路はつながっているので、日本海側より距離が短く、青森着の時間も早くなるため北海道に上陸できそうに思える。しかし、盛岡以北は東北新幹線の延伸に伴い、並行在来線がJR東日本から分離され第三セクターのIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道に転換された。両線は「青春18きっぷ」では乗車できないので、必然的に日本海回り、または仙台~新庄経由となるのだ。

 東京~青森間の営業キロと通常運賃は、(1)が792.7km、10,800円、(2)が802.6kmで、11,120円。1日でほぼ元が取れている状態だ。そして乗り換え時間も含めた総時間はいずれも17時間29分である。

停車駅が少なく速度の速い「新快速」は、ひたすら西を目指す旅の強い味方になる(撮影/高橋 徹)
停車駅が少なく速度の速い「新快速」は、ひたすら西を目指す旅の強い味方になる(撮影/高橋 徹)

■西へは東海道・山陽本線をひたすら走る

 では、西へ向かうとするとどこまで行けるのだろう。北へは2本のルートがあったが、西へは東海道本線~山陽本線の一本槍である。東京から甲府・塩尻を経由する中央本線や、京都から日本海岸を経由する山陰本線では時間がかかりすぎる。太平洋ベルト地帯を結ぶ東海道・山陽本線は運行本数が多く、駅での乗り換え時間も比較的短い。

 東京からの始発は京浜東北線大船行き4時41分発で、品川で下車。品川からは小田原行き5時10分の東海道本線で、小田原着6時21分。小田原からは熱海行き6時22分で、熱海着6時45分。熱海からは浜松行き6時49分で、浜松着9時18分。浜松からは豊橋行き9時24分発で、豊橋着9時57分。豊橋からは大垣行き10時02分発の快速で、大垣着11時32分。大垣からは米原行き11時42分発で、米原着12時17分。

 米原からは姫路行き12時20分発の「新快速」で、姫路着14時47分。姫路からは播州赤穂行き15時03分で、相生下車15時23分。相生からは糸崎行き15時25分で、糸崎18時04分。糸崎からは徳山行き18時29分発で、徳山着21時57分。徳山からは下関行き21時59分発で、下関着23時50分。下関からは小倉行き23時51分発で九州に上陸し、小倉着0時05分と、14本の列車に乗り継いで、小倉までたどり着ける。

 小倉では0時を回っているが、ひとつ東京寄りの門司は23時58分発なので、ギリギリ次の駅まで移動できるのだ。東京~小倉間の営業キロと通常運賃は、1,107.7km、13,220円。十分元が取れている状態であるが、青森行きと異なり乗り換え時間が少ない。効率よく乗り継げるのでより遠くまで行けるが、休憩時間が少ないのは難点といえようか。

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