ニコンZユーザー待望の広角ズームがいよいよ発売される。14~30ミリの絞り開放F4.0としZのボディーにマッチする約485グラムの軽量なレンズは、先行するNIKKOR Z 24-70ミリメートル f/4 S同様に沈胴式を採用。縮めて小さく携行できるが、思いのほか存在感があるのはφ82ミリのフィルター径と花形フードの印象からだろう。Zシステムで14ミリを得るならFマウントのAF-S NIKKOR 14-24ミリメートル f/2.8G EDをマウントアダプターFTZで使う選択肢もある。確かにF2.8は魅力だが、Z用14~30ミリではレンズ前にフィルターを装着できる。風景撮影ではやはりPLやNDフィルターが使えるのは何かと有利だ。
非球面レンズ4枚を含む12群14枚構成。有害光によるフレアやゴーストの発生を低減するナノクリスタルコートと前玉には防汚のフッ素コートが施されている。絞り羽根7枚は24~70ミリF4と同じだが、ズーム全域で0.28メートルまでの寄りが利くレンズなので、マクロ的な撮影でのボケ味を考えると頑張って9枚羽根の円形絞りにするか、または風景や夜景でのシンプルな光芒になる偶数6枚羽根でもよかったと思う。
肝心の描写は期待以上のキレキレの解像力で唸らせてくれる。14ミリのド派手なパースデフォルメ表現から、スナップにも使いやすい30ミリを手軽に持ち歩け、超高感度域も余裕のZなら開放F4はネックにはならないだろう。極めて高い満足感を得られる一本だと思う。
写真・文 宇佐美 健
●焦点距離・F値:14~30ミリ・F4
●レンズ構成:12群14枚(EDガラス4枚、非球面レンズ4枚)
●画角:114~72°
●最短撮影距離:0.28メートル
●最大撮影倍率:0.16倍
●フィルター径:φ82ミリ
●大きさ・重さ:約φ89×85ミリ・約485グラム
●価格:税別標準16万9500円
(税込実売16万4700円)
●URL:https://www.nikon-image.com/
●TEL:0570-02-8000
※アサヒカメラ2019年4月号より抜粋