作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。今回はデータサイエンティストの宮田裕章さんの個性的なファッションの理由に迫ります。
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大宮:宮田さんって考えていることはすごく真面目なのに、いでたちは漫画の人みたいな感じですね。
宮田:まあまあ、そうですね。実は駒場(キャンパス)にいたころから、ファッションは変わってましたよ。
大宮:あ、そうなんですね!
宮田:今日着てるジャケットは古着で数千円ぐらい。デザイナーものだけを着てるわけじゃなくて、いろいろなものをミックスしているんです。学生の頃、聴いてる音楽で自分を表現する人がいたじゃないですか。
大宮:はいはい!
宮田:着るものがメッセージを発してしまうのであれば、私もそこに自分のポリシーを重ねていったほうが面白いかなって思ったんですよ。
大宮:へえー。
宮田:私服はずっとこんな感じですけど、7、8年前まではフォーマルな場では無難な格好をしていました。
大宮:心境の変化があったんですか。
宮田:多様性をもっと積極的に表現していかないと、と思ったからです。経済団体や行政って、多様性が大事だって言いながら、みんな同じ格好をしてて。
大宮:ああ、なるほどね。
宮田:大宮さんは生きざまで多様性が体現されてますよね。私なんかは分かりやすくしていかないと。
大宮:型にはまるのが嫌だからっていう気持ちもあるんですか?
宮田:それはあります。あと、日本の制服とかドレスコードが、個性やイノベーションの芽を摘み取ってきたんですよね。とにかく「無難=正義」みたいなことにして。そういう意味では、ドレスコードの中で、いかに個性を出すかっていうことが大事なんじゃないかな。
大宮:宮田さん、「データがあれば、今の入試はいらなくなる」とおっしゃったみたいですね。東大の入試もいずれ変わるんですか。