Photo by Masato Kato
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「働き方改革」の旗手として名高いサイボウズ。同社が続けてきた組織改革の背景には、経営トップと従業員がどのような関係性の中で事業を共創していくべきかという、青野慶久社長の深い自問自答があった。その果てに、青野社長は「会社というモンスターに振り回されてはならない」と公言するに至った。彼はサイボウズという会社を通じて、働く人々に何を訴えようとしているのか。まずは「ホンネの会社論」を語ってもらおう。

●「会社さんは、おれへんで」私たちは何に振り回されているのか

 私の経営ポリシーは、「100人いれば100通りの働き方があってよい」というものだ。サイボウズは10年ほど前から続けてきた組織改革の過程で、これからのマネジメントのあり方を探ってきたが、苦しんだ末に自分たちなりに手に入れたのがこの経営原則である。

 その「100人100通り」という経営原則の背景には、私独自の「会社論」がある。それをまとめたのが、2018年2月に上梓した著書『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』(PHP研究所)だ。

 資本主義社会において会社という枠組みを、基本的にどのように捉えたらよいのか。また、この枠組みは今後、どのように変わっていき、それに対して我々はどのように立ち向かっていくべきか。『会社というモンスター』では、そんな思いをまとめてみた。

 まず、私の「会社論」について読者の皆さんに問うところから始めてみたいと思う。

 サイボウズの取締役副社長兼グローバル事業本部長である山田理は、旧日本興業銀行を経て当社に入社した。以来、組織風土づくりなど事業支援に一貫して取り組んでくれている。サイボウズでは、ここ10年ほど組織変革を続けてきたが、その過程で山田がいつも関西弁で言い続けてきたのが、「会社さんは、おれへんで」だ。

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サイボウズがよい会社かどうかなんて、どうでもいいこと