50歳ともなれば、会社員ならば出世の終着駅も見えてくる。一方で、子どもは独立し、友だちづきあいも減りがちだ。怒りっぽくなっている自分に気づき始めた人もいるかもしれない。
孤独で寂しくなりがちな人生の後半戦をいかに見苦しくなく生きるか。本書は、人生から完全に降りることなく、楽しむヒントがあふれている。
50歳はまだまだ老け込む年齢ではないように思えるが、著者はもはや「生物として求められない」と指摘する。週刊誌はこぞって「高齢者の恋愛」を取り上げているが、芸術家など、特殊な才能を持つ人を除いては「最後の恋」など夢見てはいけないとか。
夢はあくまで夢として受け入れ、等身大の自分を認められるかが、50歳からの幸せを握っているのだろう。
※週刊朝日 2018年12月7日号