「それを申し訳なく思うより、まずは帰省しただけで良しとしましょう。祖父母世代は頼られると嬉しいものなので、無理して何かしようとせず、“お世話になります”と上手に甘えるのも一つです」(棒田さん)

 ハイシーズンの高い料金や人混みが負担になるなら、いっそ家族で集まる時期や場所をずらすのも手だ。年が明けて落ち着いたタイミングで、旅行を兼ねてそれぞれの中間地点で1泊してもよい。家族でゆっくり集まるのが目的なら、あえて正月にこだわらなくてもいいかもしれない。

「今度の正月はあれこれ頑張らずに集まって、“実はこう思うんだけど”と本音ですり合わせ会議をしてみるのも手。コロナで“やらなくてよかったこと”が浮き彫りになったのはとても大きかったと思いますが、正月もしかり。今度の正月は、互いの本音を話し合ってみるベストタイミングかもしれません」(おやのさん)

 自分たちが無理のない正月を実現した、ある家族の過ごし方はこうだ。元日の朝に家族が集合→一緒に初詣に行く→帰りにファミリーレストランに寄って、朝と昼兼用の食事→孫にお年玉をあげて解散──。要するに、自分たち家族にとって“ちょうど良い”過ごし方であれば、それでよいのだ。正月の過ごし方に、何らかの負担を感じている人は今回、自分たち流の無理のないスタイルを模索してみては?(フリーランス記者・松岡かすみ)

週刊朝日  2022年12月30日号

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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