だからこそ、ルーベンスは絵の中に「エリートだけに通じる意味」をたくさん入れています。学べば学ぶほど、名画の持つ意味の深さに驚かされます。それも、「感性」ではなく「理性」によって読み解かなければなりません。

 美術を読むことは、とても楽しいことです。ぜひ、本を通じて多くの方にその楽しさを経験してもらい、展覧会に出かけてもらえたらと思っています。

(聞き手・AERA dot.編集部/西岡千史)

木村泰司・著『人騒がせな名画たち』(マガジンハウス)。表紙の絵は、フラゴナールの「ぶらんこ」
木村泰司・著『人騒がせな名画たち』(マガジンハウス)。表紙の絵は、フラゴナールの「ぶらんこ」