1966年のビートルズ来日公演を実現させた人々を描いたノンフィクション。

 日本の音楽シーンを大きく変えた公演は、誰が招聘したのか。64年に東京五輪が行われた日本武道館の使用がなぜ可能になったのか。そこには日本を代表するレコード会社「東芝音楽工業」の石坂範一郎、日本初のプロモーターで「協同企画」(現・キョードー東京)の永島達司らの、音楽という夢を夢のまま終わらせてはいけない、ビジネスとして成功させなければ意味がないという信念があった。

 本書はビートルズの貴重な写真とともに、音楽と経済という二つの視点で構成。招聘の経緯、公演中の熱狂、その後の音楽ビジネスへの影響などを綴る。高度成長期に全力疾走した《陰の立役者たち》の熱い物語を堪能してほしい。

週刊朝日  2018年9月7日号

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