新茶のおいしい季節がやってきました。新茶とは、八十八夜(立春から数えて88日)の頃に摘んだ新芽の茶葉のこと。新茶は栄養価と香りが高い点が特徴とされ、新茶を飲むと一年間無病息災で過ごせるとも言われているそう。ぜひ、今の時期しか味わえない旬の味を楽しみましょう。
この記事の写真をすべて見るまずはあらためて、お茶の種類を知ろう
先述したように「新茶」というお茶の種類があるわけではなく、新茶というのは収穫の時期を指します。緑茶=日本茶には製造工程の違いによってさまざまな種類が存在します。代表的なお茶の種類をご紹介すると……、
ちなみに、緑茶もウーロン茶も紅茶ももとは同じチャノキ(茶樹)から作られます。お茶は大別すると以下の3つにわけられます。
・不発酵=緑茶
・半発酵茶=ウーロン茶
・発酵茶=紅茶
日本茶のほとんどは不発酵茶で、摘み取った茶葉にすぐに熱を加え、発酵を止めます。ですから、茶葉の色は緑色のまま。これが緑茶と呼ばれるゆえんです。
●煎茶
国内で最も生産量が多いお茶。産地や季節によって味わいが変わるのも魅力の一つです。
●深蒸し煎茶
通常の2倍長い時間をかけて蒸したお茶。ふつうの煎茶よりも香りは弱いですが、渋みが抑えられた濃厚な味が特徴です。
●玉露
新芽が2~3枚開き始めたころ、茶園をワラやヨシズで20日間ほど覆い(被覆栽培)、日光に当てないようにして育てたお茶。渋みが少なく、うまみ成分であるテアニンが豊富です。
●かぶせ茶
被覆期間が玉露より短いもの。煎茶の風味と玉露の甘みやうまみを兼ね備えたお茶。関西では人気が高いのですが、関東ではあまりなじみがありません。
●番茶
もともとは遅摘みの葉で作るお茶を指しましたが、現在では下級煎茶のことを番茶と呼びます。煎茶より甘みが少なく、軽くてさっぱりとした味わいです。
●ほうじ茶
煎茶や番茶を強火で炒って香ばしさを引き出したお茶。茶葉に含まれるタンニンやカフェインが少ないので、子どもでも安心して飲めるお茶です。
●玄米茶
煎茶や番茶に香ばしい玄米を混ぜたお茶。すっきりとした味わいです。
知っておきたい、おいしいお茶のいれ方
お茶の味を決めるのは【カテキン(渋み)・テアニン(旨味)・カフェイン(苦味)】の3つの主成分。これらの浸出具合によって味が決まります。浸出具合を左右するのが湯の温度で、カテキンやカフェインは湯の温度が高いほど多く浸出され、浸出時間が長いほど引き出されるのがテアニンです。
◎ポイント
渋いお茶を飲みたいとき・頭をスッキリさせたいとき → 高温で短時間でいれる。
渋めのお茶が苦手な人 → ぬるめのお湯で時間をかけていれる。
最後に、煎茶のいれ方をご紹介します。
適温:ややぬるめ(70℃)
1 沸騰してひと呼吸おいた湯を茶碗に8分目まで注ぎます。
2 茶葉(1人あたりティースプーンに1杯)を急須に入れます。
3 茶碗の湯を急須に全部注ぎます。※この時点で適温になっています。
4 フタをして1分、蒸らします。
5 茶碗に少量ずつ注ぎ入れます。
急須に湯が残っていると渋みが浸出するので、最後の滴まで注ぎ切ります。
2煎目以降は高め(85~90℃)に、浸出時間もやや短めにするとよいでしょう。
―― 日本人にとってなじみの深い「お茶」。
実は種類も豊富で奥が深い飲み物です。その奥深さを今後もご紹介していきたいと思います。