
年末年始に実家に帰省し、高齢の親の運転問題に向き合うという人もいるだろう。そんなあなたに、免許返納と並ぶもうひとつの選択肢を紹介したい。AERA 2023年1月2-9日合併号の記事から。
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「自分を過信する人間は、パイロットには向いていない」
NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」で、吉川晃司演じる航空学校の教官が、学生に聞かせた名言のひとつだ。
高齢者ドライバーが受検する「認知機能検査」で高得点をマークし、「だからまだ免許は返納しない」と言い張り、近所の同年代に合格のコツを教えたりしているうちの母、キミコ学生(86)にも、パイロットをドライバーに置き換えて聞かせたい。
高齢者の事故が相次ぎ、増えていた運転免許証の自主返納。だがコロナの影響などで2020年からは減少に転じているという。となるとこの年末、久しぶりに帰省する実家で、まだ親が免許返納をしていなかったり、運転を続けていたりが発覚して、ひと悶着(もんちゃく)ある家族もありそう。
そんな親に紹介したい、免許返納と並ぶ、もうひとつの選択肢をご存じだろうか。いや、知らないと思う。22年5月の開始から、9月までの取得者は全国でわずか10人との報道もある「サポカー限定免許」だ。
こちら正式名称を「安全運転サポート車等限定条件付免許」といい、安全運転を支援するシステムを搭載した、サポカー(セーフティ・サポートカー)だけを運転できる、高齢者向けの運転免許証のことを言う。
■自動でブレーキを作動
それにしても取得する人がわずかなのには、いろんなワケがありそうだ。例えば普通免許をわざわざサポカー限定免許に変えなくても、当然、サポカーは運転できるし。またこの免許は普通免許からの書き換えが前提なので、オートマ限定免許のように免許取得が楽になるわけでもない。それどころか、サポカー以外を運転すると違反の対象になるなど、足かせは増える。例えば、サポカー限定免許で普通車を運転すると「免許条件違反」で7千円の反則金と2点減点が待っている。