
オプションも含めると、いまどきの車は高齢者や運転が苦手な人を助ける安全系の装置が充実している。例えば、標識検知機能。「進入禁止」の標識を認知し、標識を通過した場合には音と画面でドライバーに注意を喚起してくれる。ほかに車線をまたぐと知らせる車線逸脱警報なども、緩んだ気を引き締めるのにぴったりだ。
■安全運転が前提にある
また天井にあるSOSボタンを押すだけで専門のオペレーターに接続し、警察や救急の手配をサポートしてくれるサービスも。「ただし、車はあくまでも安全をアシストするもの。ドライバーの安全運転は、すべての前提です」(同)と念を押す。
「車がないと病院や買い物に行けない、という地域も多い一方で、運転に不安を持つドライバーも多い。車側の技術を使った免許返納以外の選択肢となりうるサポカーで、そうした不安を解消できないかと始まった制度。もちろんドライバーの安全運転は第一でお願いしています」(前出・早田さん)
最後に、たまたまサポカーを所有していた母親に聞いてみた。娘も多少安心で、本人も気合が入るから、サポカー限定免許に変えてみる?
「運転できるのに免許を取り上げられるくらいなら、何でもします。その免許に書き換えた人ほとんどが、そうやって子どもに迫られた人じゃないの?」
きっとね。(ライター・福光恵)
※AERA 2023年1月2日-9日合併号