物語展開の肝となるミステリー・ゲームを仕掛けるIT長者マイルズ・ブロン役を演じたのは、エドワード・ノートンだ。

「ライアンの探偵ドラマが魅力的なのは、どのキャラクターも現代社会を如実に反映しているからだと思う。彼らは実在の著名人を彷彿とさせるだけではなく、僕たち自身との共通点も見出せる。だから一層おかしいい。おかしな第三者の振る舞いを笑うだけでなく、どこか自虐的でもあるのはそのせいだろう。ライアンは笑いの新しい焦点を見つけたんだ。僕が演じたマイルズ像を作り上げるのはすごく楽しかった。人物造形に役に立つドキュメンタリーが7本ほどあって、異なる人の異なる部分を選びながら、それをスムージーのように混ぜ合わせていった」

 スーパーモデルからデザイナーに転じたバーディー・ジェイ役を演じたケイト・ハドソンはこう話した。

「群像劇である今作のキャストの顔ぶれはすばらしい。1本の映画にこんなにカラフルな俳優がそろうなんてめったにない。個性豊かな出演陣と共に演技するのは得がたい体験だった。(新型コロナの感染防止のために)別々に撮影してプレミア上映で初顔合わせ、ということではなく、パンデミック時にも努めて一緒に撮影に臨んだ。それが新種の探偵ドラマの完成につながったと思う」

 今作はほかにも、デイヴ・バウティスタの人気ユーチューバー役、レスリー・オドム・Jr.の科学者ライオネル役、キャスリン・ハーンの州知事役など、豪華出演陣が多彩なキャラクターの招待客・容疑者を演じることでも話題だ。

Getty Images for BFI
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