小泉今日子さん(左)と浜田真理子さん 撮影=和田靜香
小泉今日子さん(左)と浜田真理子さん 撮影=和田靜香
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 演出家の久世光彦さんが遺した、同名のエッセイ集を基にした音楽舞台「マイ・ラスト・ソング」。2008年からほぼ毎年行われ、今年は3年ぶりに5月から6月、全国8カ所での公演が決まっている。島根県・松江を拠点に活動するシンガー・ソングライターの浜田真理子さんと、歌手で俳優の小泉今日子さん、そしてサックスのMarinoさんも加わる。草にあるプロマイド写真の老舗・マルベル堂で宣伝用写真を撮影。ライターの和田靜香さんが、3人にこの舞台への思いを聞いた。

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 真理子さんと今日子さん、それに私も、まったく違う人生を歩んできたけど、1964年から66年生まれのほぼ同学年で、こうして集まった。

和田 「『マイ・ラスト・ソング』は、久世さんが今の私たちの年代ぐらいに書いていたんだね」

小泉 「追いついてきてるよね、当時の久世さんの心境に、自分たちが」

浜田 「始めた頃はまだ、わからなかった」

和田 「私たちが伝える番だって最近すごく思っていたら、ふたりのCD(5月発売の『マイ・ラスト・ソング アンソロジー』)がまさにそれだ!って」

小泉 「久世さんは向田邦子シリーズでも、ずっと戦争をテーマにしていたじゃない? 戦争を知ってる人がこの世からどんどん消えてしまい、親も死んじゃったりして、そういう話を聞いて繋げられるって、私たちしかいないのかも?と思う」

浜田 「久世さんも森繁久彌さんたちの言葉を聞いて、それを伝えようとしていたと思う。戦争は遠いことだと思っていたのに、今すごく近いでしょう? 沖縄のこととか知らなかったけど、Marinoから『学校では君が代は歌わなかった』とか聞かされて驚いたり」

 浅草のスタジオで沖縄の話になった。サックス吹きのMarinoさんは宮古島の出身だ。モノクロで撮った写真が昭和のスターのようで、真理子さんが「裕次郎みたいだ」なんて言って、またみんなで笑ったけど……。

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