どうも「指導」という言葉と私のキャラは相容れない。この時も小3の子たち30数名と歌の稽古をしたのですが、なんだか一緒に遊んでただけのような気がします (撮影/谷川賢作)
どうも「指導」という言葉と私のキャラは相容れない。この時も小3の子たち30数名と歌の稽古をしたのですが、なんだか一緒に遊んでただけのような気がします (撮影/谷川賢作)
TAICHI-KIKAKUの「金色の魚」の公演後に舞台上でワークショップ。これくらいの年齢の子たちになると皆ちゃんとできる。小学生ってば……(撮影/谷川賢作)
TAICHI-KIKAKUの「金色の魚」の公演後に舞台上でワークショップ。これくらいの年齢の子たちになると皆ちゃんとできる。小学生ってば……(撮影/谷川賢作)

 今日もこの原稿書き終えたらすぐにミュージカルの稽古に突入です。私が音楽を担当したZEROキッズのミュージカル『海のふ・し・ぎ』を17年ぶりに再演します。下は2歳(!)の子から小6までのこどもたち、総勢26人が参加してくれています。ZEROキッズに関しては「ほめちぎ第25回」でも書きました。そちらもご覧ください。

 それで、17年前も「ぼくはこどもたちの音楽指導はちょっと……馴れてないし、上手くないし。作曲と演奏だけしますので、指導の方は別につけてください」なんてことをのたまいつつも、結局は稽古場で「空回り系熱血指導」をしていました。17年後の今回も「指導」に関しては相変わらず逃げ腰なのですが、やはり「指導」らしきもの(?)をやっています。

「指導」ってなんなのですか? よく世の中には「あの人は教えるのがうまい!」と言われている人がいて、そういう方たちの元にいると、きっとこどもたちはどんどん伸びて成長していくのでしょうね。こどもたちの成長していく姿を見るのは楽しいし、自分の“手腕&方法”が機能していくのを肌で感じることができれば、自信になるのでしょうが、私にはそういった経験はほとんどありません。それは“手腕&方法”がないからでしょ? と言われれば返す言葉がないのですが。

 でも実は“手腕&方法”がなくても、こどもたちの成長は見られます。たとえ私の「現場」が下記のようなことになっていても。こどもって自分からやる気だせば、モチベーションが高まれば勝手に伸びるのです。じゃあ私ってなに? 私は誰?? 苦笑。

 別に今回のミュージカルに限ったことではないのですが「こうしたらいいんじゃない」「ここはこうしようよ」と溢れんばかりの音楽提案を、こどもたちにまさに言わんとするその時、一人の子が私の髪の毛を指さして「それって天パー?」はっ? 人の話きいてる!?

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