その中で最も大会前の評価を覆して躍進した印象を受けるのが県岐阜商だ。地方大会の準決勝を現地で見た時に打線の力があり、エースの柴田蒼亮(2年)も好投手だと感じていたが、大会が進むにつれてさらに打線の状態が上がっていったことが大きかった。特に明豊戦での初回の攻撃と、タイブレークにもつれた横浜戦での粘りは見事という他ない。また投手陣も地方大会では一度も登板がなかった渡辺大雅(2年)が明豊戦、横浜戦で好投を見せたことも大きなプラスだったことは間違いないだろう。

 こうして見てみると、優勝した沖縄尚学、準優勝の日大三、ベスト4に勝ち進んだ県岐阜商などは地方大会からの上積みが大きかった印象だ。レギュラーが力を発揮するだけでなく、プラスアルファが出てくるかがいかに重要かということを改めて感じさせられた大会だった。

(文・西尾典文)

こちらの記事もおすすめ 夏の甲子園ベスト8を「ガチ予想」 最激戦区は智弁和歌山、東洋大姫路のゾーン…勝ち抜くのは?
[AERA最新号はこちら]