健闘をたたえ合う沖縄尚学と日大三
健闘をたたえ合う沖縄尚学と日大三
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 沖縄尚学の初優勝で幕を閉じた第107回全国高校野球選手権。大会が開幕した当日の8月5日にはベスト8に進出するチームを予想する記事を配信したが、今回はその答え合わせとともに、躍進したチームの要因などについて探ってみたいと思う。まず大会前の予想と結果をまとめると以下のようになった。

【写真】優勝した沖縄尚学の2年生エースはこちら

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予想:日大三 結果:日大三

予想:山梨学院 結果:山梨学院

予想:健大高崎 結果:京都国際

予想:神村学園 結果:関東第一

予想:沖縄尚学 結果:沖縄尚学

予想:横浜 結果:横浜

予想:智弁和歌山 結果:東洋大姫路

予想:明豊 結果:県岐阜商

 的中したのは8校中半分の4校だが、その強みについて改めてまとめたい。

 優勝に輝いた沖縄尚学はやはり末吉良丞、新垣有絃という左右の2年生投手の存在だ。末吉は1回戦で金足農を相手に14奪三振で完封。その後も全ての試合に登板して見事優勝投手となった。

 そしてそれ以上に大きかったのが新垣有絃の成長だ。沖縄大会では2試合の登板だったが、甲子園では4試合に登板し準々決勝以降は末吉を上回る安定感を見せた。野手陣も派手さはないもののバントなどの小技でしっかり走者を進めており、大会途中から宜野座恵夢を4番に昇格させたことが上手くはまった印象だ。

 準優勝に輝いた日大三は持ち味の打線が力を発揮したことが大きかった。大会でのトータルのチーム打率は.291とそこまで高かったわけではないが、レギュラー9人のうち7人が長打を放ち、8人が打点を記録している。投手も突出した力のある存在はいなかったが、エースの近藤優樹(3年)を筆頭に粘り強い投球で大量点を許さなかった。決勝では自慢の打線が抑え込まれたが、小倉全由監督から三木有造監督に代わってもチームの伝統は引き継がれている印象を残した。

 準決勝で沖縄尚学に敗れた山梨学院も3回戦と準々決勝では二桁得点をあげるなど強力打線が光った。特に4番に座る横山悠(3年・捕手)は8打数連続安打を記録。大会通算打率も.667をマークしている。一方の投手も菰田陽生、桧垣瑠輝斗の2年生二人が好投を見せていたが、準決勝で菰田が肘を痛めて早々に降板したのが誤算だったと言えるだろう。

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