試合中に笑顔が増えた

 ただ、阪神時代から藤浪を取材するライターは、中日戦での藤浪のある変化に驚いたという。

「試合中に笑顔が多かったんですよね。いい具合に力が抜けていて、マウンド上で勝負を楽しんでいる感じがしました。左打者9人を並べられたことに色々な思いがあったと思いますが、気持ちを切り替えたんじゃないですかね。阪神で1軍に定着できなかったときは表情がこわばっていたので、別人のように見えました」

 今後、CS争いを繰り広げる巨人との対戦もあるだろうが、その場合、注目されるのは、巨人のスタメンだ。左肘靭帯損傷から復帰したばかりの右の強打者・岡本和真を打席に立たせるか。スポーツ紙デスクはこう指摘する。

「巨人打線は岡本が外れると破壊力が半減する。ただ、スタメンで起用して死球で再び戦線離脱する事態は絶対に避けたい。2位の巨人は3位・DeNAとわずか0.5ゲーム差、4位の広島とも4.5ゲーム差で、CS進出に向けて楽観視できる状況ではありません。1つの試合も落としたくない中、阿部慎之助監督がどのような決断を下すか」

 藤浪と対戦するとき、主力の右打者を外すか、起用するか。対戦相手を悩ませる藤浪が、DeNAがCS進出するにあたってのキーマンの一人であることは間違いない。

(ライター・今川秀悟)

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