先頃、ミス日本コンテストで栄えある「水の天使」に選ばれた竹田聖彩さんは、名古屋大学医学部の3年生。自身の勉強法とキャンパスライフについて教えてくれた。
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4歳から11歳までタイで過ごし、中学・高校は帰国子女と外国籍の生徒だけが通う南山国際で学んだ。
幼いころから医師になりたいというふんわりとした憧れは抱いており、高校入学後も医学部を目指していた。しかし勉強を続けているうちに弱気になり、推薦入試で早稲田大学の理系に進もうかと揺れた時期もあったという。そんな時、運命を決定づける出来事が。
「高校2年の夏休みに、名古屋大のGSC(グローバル・サイエンス・キャンパス)に参加してみたんです。先生のご厚意で、医学系研究科の研究に参加してよいと言われました。夏休みはほぼ毎日通い、医学の面白さを知りました」
医師を目指すきっかけは、自身の病気治療にあった。
「私は0歳のときからひどいアレルギーがあって大変だったそうですが、医師の先生のおかげで4歳のときにおさまったんです。幼いころのことですが、助けていただいたということは覚えています」
名古屋大のGSCを体験したことで、改めて医者になろうと強く決意。寝ている時間以外はほとんど勉強にあてるという生活が始まった。
「この一瞬、5分でも気を抜いたなら合否にかかわる。そう思っていました。ものすごいストレスですけど、常に恐怖感を持っていることが大事です。寝ている間に記憶が作られると思うので、その下地を作ろうと思って、寝るとき横になって、重要なことがらを思い浮かべるようにしました。朝起きると、それが頭に入っていました」
一番の親友も国立大医学部を目指していて、2人で励まし合えたのが良かったという。
大学では1年生で一般教養は全て終え、2年からは専門科目の学習に追われている。医学部硬式テニス部で汗を流したり、友だちと旅にも出かけているが、日ごろは受験勉強時と同じくらいの時間を学習に割いている。
「私を診てくださったアレルギーの先生のように、患者さんに寄り添って話を聞き、患者さんの喜びをまるで自分の喜びとして感じるような内科医になりたいと思っています」
(取材・文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2023年4月28日号