
「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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6月3日を「ローソンの日」にしたことは、この連載でもお伝えしました。私たちにとってこの先、大切な記念日となっていきます。
思えば「記念日」の一つひとつが、より大切なものになってきているな。そんな気持ちが、年をとるごとにだんだんと強くなっています。
子どもの頃、たとえば自分の誕生日には親がプレゼントをくれたりして、それはそれでとても大事で、楽しみにしていた記憶があります。
でも大人になると、自分の記念日はあまり気にならなくなり、むしろ家族など周囲の人たちの記念日の方が大切になってくる気がするんです。
背景にあるのは、「感謝の気持ち」だと思います。
大人になって社会に出てみると、自分は一人で成長してきたわけではないこと、自分一人では何もできないことを思い知らされます。親のありがたさが身に沁み、社会の人たちに助けられながら仕事や生活をしていることが、実感としてわかってくる。
感謝の気持ちが自然と生まれ、「その人の記念日」がより大切なものになってくるのだと思います。

私にとっては、やはり家族の誕生日や、母の日でしょうか。ただ、そういえば自分の親父の誕生日や父の日については、なんとなく照れくさくて、何かをした記憶がほとんどないですね……(笑)。
いずれにしても、私はプレゼントなどに凝るタイプではないです。言葉で「ありがとう」や「おめでとう」をしっかりと伝えられたら、それでじゅうぶんだと思います。
ローソンでは、3月1日が新しい期の初日で「記念日」です。今回もまた、仲間たちと一緒に新しい年度が迎えられましたと、諸先輩方に感謝しつつ、年末年始にも似た区切りの日になっています。
これからも「記念日」を心から大切にしながら、過ごしていきたいと考えています。
※AERA 2025年8月11日-8月18日合併号
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