『勉強脳』の著者・樺沢紫苑さん
『勉強脳』の著者・樺沢紫苑さん

 本を読んで、自分が既に知っていること、他の本で読んだことしか書かれていないということは、実際にあります。それは、その分野での自分の知識が豊富であれば、頻繁に起こってくることです。

 自分の知識が「上級」レベルに達しているのに、初心者向けの本を買ってきても、「自分の読みたいことが書かれていない」「知っていることしか書かれていない」のは当たり前。上級者は初心者向けの本を読むべきではなく、上級者向けの本を読むべきなのです。

 初級者は初級者向けの内容を学び、中級者は中級者向けの内容を学び、上級者は上級者向けの内容を学ぶ。これが「守破離適合」の状態です。

 自分の知りたいことが書いてあるのは「守破離適合」、自分が知りたいことが書いていないのは「守破離不適合」の本だということです。
 

あなたの「適合度」を一瞬で判定する方法

 あなたがいつも買うビジネス書は、「当たり」が多いですか? それとも「ハズレ」が多いですか? この質問に答えることで、あなたが、「守破離適合」か「守破離不適合」の状態なのかを、一瞬で判定することができます。

 あなたが買う本が、いつも「ハズレ」ばかりの場合は、あなたの知りたいことが本に書かれていない、つまり「守破離不適合」の状態に陥っています。

 一方、あなたが買う本が、いつも「当たり」ばかりの場合は、あなたが必要としている情報、知識を効率的に得られている「守破離適合」状態といえます。

 ネガティブなレビューばかりをアップしている人がいますが、そういう人はどう見ても「守破離不適合状態」で、「自分に本当に必要な本」を選べていない、読めていないのです。

 まず、自分が何を学びたいのか、ターゲット、ゴールを明確にする。そして、自分の目的に最もかなった本を選択する。本の選び方が適切であれば、「ハズレ」率を大きく減らせます。

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