あなたの「NO」にはパワーがある

 子どもに悪い事をしてくる大人をすべて見分けることは難しいと思うので、息子には、自分を守る術として、あなたが言う「イヤだ」「やめて」とか「NO」にはパワーがあることを伝えてきています。

「NO」のパワーと大切さとともに、いくら大好きな先生でも全部が正しいわけではないということを伝えています。大好きな先生でも、いい先生でも、その先生が言うことが全て正しかったり、合っていたりするわけじゃないから、先生にだって「NO」を言っていいんだよと伝えています。

 自分の「NO」にパワーがあると同時に、お友達から言われた「NO」と言われたら、やっていることを絶対に止めるようにも話しています。

 それはいじめ防止とかにも通じる話で、こっちは、ただふざけてノリでやっていることでも、お友達が「イヤだ」ってことを伝えてくれたときに、これはやってはいけないことだと止められる子にもなってほしいなと思っています。人からのNOも自分からのNOも強いものだということを息子がおしゃべりができるようになった頃からずっと言い続けています。

 たとえば、こちょこちょって、くすぐられて、くすぐったいから笑ってしまうけど、笑っているからやっていいわけじゃなくて、イヤだったらイヤと伝えないといけない。逆に、息子がくすぐった側だったら、イヤと言われたら絶対にすぐに止めないといけない。言っても止めてくれないという経験ばかりして、「NO」を伝えるのをあきらめてしまう人にもなってほしくない。

トイレにひとりで行かせない

 子どもが巻き込まれる事件について、息子に具体的な話はしてないけど、公共のトイレに行くときに、私しか大人がいないときには、私と一緒に女子トイレに行くか、誰でもトイレを使用します。小さい子が一人でトイレに行ってはいけないと伝えています。「もし、ママがいなくて、お友達のママしかいないときでも、絶対についてきてもらって」と約束しています。どうしてか聞かれたときに、「悪い事を考えている大人が“この子はひとりだ”と狙って、個室に連れ込んで、口を押えられたら何でもできちゃうから」というような話はしています。

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