
その言葉は、映画中で、ヤヒロが夢を追うきっかけとなった「みんなが行くほうに行くな」「大変そうな道を行け」というセリフとも重なる。
「ああ、あの言葉にはとても共感しますね。なかなかハードル高いことですけど。発言ひとつとっても、リスクはあるけど笑ってもらえるかもしれない、っていう可能性があるんだったら、僕はそっちを取る。見え方はあんまり気にしていなくて、面白いとか、自分の思うがまま、っていうかを、大事にしています。そのほうが自分も楽だし、っていう感覚ですかね(笑)」
9から1になるとき
リスクを恐れない渡辺が、最も恐怖を感じることは?
「グループ活動をしているから、一人仕事のときはやっぱり恐いですね。9人だと基本的にレギュラー番組があってゲストを迎える側なんですけど、1人で行く現場って、ゲストで迎え入れていただくことのほうが多くなる。1人で『はじめまして』でお邪魔する側になると、どのくらいいっていいのかな?っていう判断が難しい。だからやっぱり、9から1になるときが、いちばん恐いかもしれない。それはもう、バラエティーでもドラマの現場でも、こういう映画の現場でも。
でも、いろいろ、慣れるよりは、緊張して地に足着いているほうが、まだいいのかな、とは思っていますけどね」
この映画を引き受けたときもプレッシャーを感じたと語っていたが、そういうプレッシャーや恐怖とは、どう闘っているのか。そう問うと、きっぱりと、「いや、プレッシャーがあっても、決めたことはもう、やるしかないので」と返ってきた。
「とにかく、監督や製作のみなさんが求めるものに全力で応えていく、誠実に言われたことに向き合う、ということを、一生懸命やるしかない。
あとはやっぱり、自分でグループに曲を持ってこられたというのは、ひとつ、とても大きなことなので。やりがいを感じながら、グループに何か還元できればいいな、っていう思いで乗り切った、っていう感じですね」
(編集部・伏見美雪)
※AERA 2025年7月28日号より抜粋
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