自分はどう思われても
「幽霊が出る物件から、ほかの人たちはみんな、すぐに引っ越したほうがいい、と言うなかで、僕演じるヤヒロは、『でも、この幽霊さんはこのままでいいんですか?』と、自分も巻き込まれているのに(笑)、幽霊をかばったりする、すごくいいやつなんです。
自分は、巻き込まれても誰かを守る、みたいなことまではできていない気がするから、もっとやさしくなってもいいのかな?って(笑)」
本人はそう笑うものの、渡辺には、誰かを守るためには行動や発言を辞さない覚悟を持っているという印象が強い。例えば昨秋、Netflixの番組「timelesz project-AUDITION-(タイプロ)」にゲスト出演した際の、メンバーを守る大切さに関するコメントも話題を呼んだ。
「あ、その感覚はありますね。自分で言うといやらしいんですけど(笑)、でも、自分はどう思われてもいい。自分がマイナスになることで、誰かにとってプラスに働くんだったら、全然、それはそれでいいかな、っていう感覚はあります。
そういう姿勢を取りつづけていたら、認めてもらえるというか、キャラクターとして捉えてもらえるようにもなる。タイプロもそうですけど、『こいつ、なんか言ってるよ』じゃなくて、僕のキャラクターとして見てもらえるくらいにはなったかなあ、と。渡辺くんっぽい、って思ってもらえたらいいかな、というふうにはね、思っています。
見え方ばかりを気にしない
何にせよ、意見って割れるものだと思うんです。だから、これ言ったらマイナスの声あがるだろうな、ってわかっていても、やっぱり、あえて発することもある。リスクを考えすぎたり、見え方ばっかり気にしたりしていると、無難な言動しかできないから、面白みがない男になっちゃうかな?とも思いますし(笑)」
そう韜晦(とうかい)するのもまた「渡辺っぽさ」を感じさせる。バラエティー番組でも、わざと嫌がる顔をしてみせたり、怒っているふりをしてみせたりして、場を盛り上げている。
「まあ、やっぱり、逆をやったほうが面白いかな?と(笑)。プロの芸人さんじゃないから、お笑いのメカニズムはね、わからずやっていますけど、わりと『あ、たぶん、こっちじゃないほうがいいんだろうな』っていうほうを、あえて選ぶっていう(笑)」