
毎年7月に行われているプロ野球のオールスターゲーム。今年は23日(京セラドーム大阪)と24日(横浜スタジアム)に行われる。その名の通り、セ・パ両リーグのスター選手による“夢の祭典”というイベントだが、近年はあらゆる点で疑問を感じることも確かだ。
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まず毎年のように議論となるのがファン投票だ。2003年には一軍で1試合も登板していない川崎憲次郎(当時・中日)に嫌がらせ的に投票が集中して1位選出となり大問題となった(川崎は出場辞退)。インターネットでより簡単に投票できるようになったことで起こった弊害と言えるだろう。
近年はこのような極端な例はないものの、やはり疑問に感じる投票結果は少なくない。今年も開催地である京セラドーム大阪を本拠地にしているオリックスの選手の得票数が明らかに例年より多くなっていた。その球場を本拠地とするチームの選手により多く出場してもらいたいというファンの心理も理解できるが、あまり行き過ぎた結果になると、結果を残している選手が割を食うことになる。ファンにモラルを訴えることと同時に、投票方法を見直す必要もありそうだ。
ファン投票により偏りを是正する仕組みとして作られたのが選手間投票と、さらに「最後の1名」を選出するプラスワン投票だが、こちらについても今年疑問が残る結果があった。
セ・リーグの選手間投票の一塁手部門でわずか29試合の出場で打率.211、2本塁打、12打点という結果しか残していないオースティン(DeNA)がトップとなったのだ。オースティンは右膝の違和感を訴えて6月6日に登録抹消となり、現在も二軍調整中で続いていることから、結局出場辞退となっている。一塁手で目立った成績を残している選手がいないことからこのような結果になったと思われるが、この点についても大きな問題点と言えるだろう。
さらに近年目立つのが出場辞退者の多さだ。今年もセ・リーグで4人、パ・リーグで1人の合計5人がオールスターに選出されながら怪我を理由に出場辞退となっている。もちろん怪我による出場辞退は致し方ないことではあるが、選手の中にも無理をしてシーズンに響くことを恐れる風潮もあるのではないだろうか。ちなみに出場辞退すると後半戦の10試合は出場できなくなるが、それでもこれだけ辞退が多いというのは寂しい話である。また辞退した選手の補充選手については細かい取り決めはなく、ブラックボックス化しているのも気になるところだ。