国民民主党の衆院議員も同様だ。
「うちは、自民党と組んで『玉木首相が実現』などという記事がよく出ます。でも、せっかく『山尾(志桜里)ショック』にも耐えて、参院選で議席を増やしたところ。人気が回復しているところで石破政権にすり寄ったら、今度は『石破ショック』で党の存亡にかかわりますよ」
日本維新の会は代表の吉村洋文大阪府知事が「維新は改革政党」と記者会見で述べ、自民党と一線を画す発言をしている。維新の国会議員はこう話す。
「吉村代表に自民党と組む考えはないでしょう。ただ維新の中は吉村代表側と、馬場伸幸前代表側の2つに分かれている。馬場氏は代表時代、自民党から猛烈なアタックを受けて、閣僚ポストまで提示され、連立にまんざらでもなかったことがある。それだけに、馬場氏が党を割って出ることが維新にとっては怖い。ただ、さすがにダメすぎる石破首相とは一緒にやらないと思う」
いずれの野党も石破首相のもとでの連立には否定的なのだ。
今回参院で躍進した参政党も、参院では14議席を獲得したが、衆院では3議席しかないので、与党の連立相手には数が足りない。
「石破おろしで自民党がダメになる危険性」
自民党内の動きはどうか。石破首相が「続投」となれば、自民党総裁選も開かれない。そうなると石破首相の「次」を狙う、高市早苗氏や小泉進次郎氏らも動きの取りようがない。
昨年の自民党総裁選で高市氏を支援した参院議員のB氏がこう話す。
「小泉氏は農水相を務め政権内部にいるので静観するしかない。高市氏は『石破おろし』にいきたいでしょう。私も応援したい気持ちはある。しかし、参院選を冷静に振り返ると、自民党全体の支援者が激減し、無党派層からの支持も急落している。変に動いて石破首相を退陣させても、自民党自体がダメになりかねない危険性がある。簡単にはいかない」
石破首相が会見で言ったように、今は国難の時期だ。トランプ大統領から「8月1日」からの関税引き上げを通告されており、米国との関税交渉という大きな政治課題がある。また、8月には原爆の平和祈念式典という総理にとって重要な日程もある。