久留米弁でのトークも披露

 インターネットがなかった昭和の時代は、みんなが同じ経験をしていました。

 テレビやラジオ、雑誌や漫画など、懐かしいものがみんな一緒。それがとても幸せ。

 聖子ちゃんのコンサートに来ているみなさん一人ひとりに、そんな特別な瞬間があるんだろうなあと、45年間、何があっても私たちのアイドルでい続けてくれた聖子ちゃんに感謝の気持ちで一杯になりました。

 コンサートでは、もちろん今の大人な聖子ちゃんを味わう時間も。

ファンのみなさんが会場から躊躇なく声をかけます。

「聖子ちゃ〜〜ん、回って〜」

「え、なに? 私が回ればいいの? は〜い(くるり)」

 えー! 回っちゃうんだ〜って初参戦の私はびっくりするのですが、大人な聖子ちゃんは本当に自由! それがなんともすてきなんです。

 久留米弁でしゃべって〜と言われれば、ちょっと照れながらも、

「新しいアルバムが出たっちゃね。みんな知っとる? そん中にくわしーぃに書いとっとやけん、みんなよーと見とって〜!」とか、もう会場は大盛り上がりです。聖子ちゃん、昔からバラエティーに出てもすごく面白かったけど、やっぱすごいわ〜という空気が会場中を楽しくさせます。

 もちろん歌も最高。

 予習なんてしなくても、どの曲も自然と2番まで空で歌えちゃう自分にびっくり。「赤いスイートピー」を大合唱しながら、一緒に年を重ねてきて良かったなあとつくづく思いました。

「歌」ってすごい。しかも聖子ちゃんの歌は、自分が思い出したい美しい思い出だけを連れてきてくれるんだって気づきました。

 聖子ちゃんのコンサートはタイムマシンより正確ですてきな青春ワープ装置でした〜。

 永遠のアイドル聖子ちゃん、これからもずっと私たちの人生に寄り添ってくださいねー。

こちらの記事もおすすめ 娘が歌う「松田聖子」と私が入った「五右衛門風呂」…昭和100年の年に思う“懐かしさ”の本質 武内陶子
[AERA最新号はこちら]