
2026年夏に実写映画「キングダム」第5弾が公開されることが発表され、公開前から話題となっている。
「キングダム」は、7つの国が覇権を争っていた中国の春秋戦国時代を舞台に、秦国の戦災孤児だった信が「天下の大将軍」を目指し、若き王・嬴政(えいせい)と共に中華統一を目指す歴史大河だ。06年から「週刊ヤングジャンプ」で連載が始まり、7月17日には単行本第76巻が発売。累計発行部数は1億1000万部を突破する超人気作品だ。
19年に実写映画化され大ヒットすると、これまでに4作が公開。シリーズ累計の動員は約1734万人、興行収入は245億円を突破している。今年3月に開催された「第48回日本アカデミー賞」では、24年に公開された「キングダム 大将軍の帰還」において主演の山崎賢人(30)が優秀主演男優賞、大沢たかおが優秀助演男優賞を受賞するなど、高い評価を受けた。
続編決定の一報にさらなる期待が高まるなか、7月11日にスーパーティザー映像が初公開された。映像には、大将軍・王騎の矛を見つめる信(山崎賢人)と嬴政(吉沢亮)、そして甲冑をまとい馬にまたがって戦場を駆ける信の姿が映し出された。たった数カットながら、信が“甲冑”を着ていたことが、一部の原作ファンの間で波紋を呼んでいる。どういうことか。サブカルライターの蒼影コウ氏が解説する。
「漫画原作の実写化といえば、往々にして改悪されがちですが、本作は下手なオリジナル要素を加えることなく、“原作に忠実な実写化”として高く評価されてきました。原作通りであれば次は『山陽の戦い』になるはずで、この時点の信はまだボロ着のまま戦っています。甲冑を装備するのは『山陽の戦い』で武功を挙げた後の『合従軍』編から。つまり、『山陽の戦い』が飛ばされる可能性が出てきた、というわけです」
「合従軍」とは、秦国を除く六国が同盟を結び、咸陽まで攻め込んでくる壮絶な戦い。秦は亡国の危機に瀕し、王騎に代わる新たな将軍たちが国門・函谷関で激闘を繰り広げる、「キングダム」屈指のクライマックスとも言えるシーンだ。
「この合従軍編は原作コミックスで第25巻から33巻にわたって描かれており、過去の実写シリーズのボリュームから見ても、最低でも2作分に相当します。『キングダム』は複数作をまとめて撮影しているとも言われており、後半では吉沢亮演じる嬴政にも大きな見せ場があります。新キャラクターも続々と登場するため、第6弾、第7弾と続く可能性も十分にあります」(前出・蒼影氏)