
「えっ、クレジットカード使えないんでしたっけ?」
【驚き】S&P500に「毎月1万円×20年」積み立てたらいくらになった?
久々に行った居酒屋で食事をしたところ、会計時に「現金のみでお願いします」と言われてしまった。普段、筆者は現金を持ち歩かないため、慌てて近くのコンビニまで行ってATMでお金を下ろした。
以前、訪れた際にはクレジットカードで支払った覚えがあったが、聞けば、最近キャッシュレス決済をやめたらしい。理由はキャッシュレス端末の決済手数料がばかにならないからだという。
キャッシュレス決済が普及する一方で、「現金のみ」に回帰する店も増えている。背景にあるのが、キャッシュレス決済の導入・維持にかかるコスト負担の増加、レジ業務の煩雑化などだ。
さらに決済端末にはトラブルもある。大阪・関西万博の会場内では、国際博覧会としては初めて、完全キャッシュレスが導入されている。会場内の買い物や飲食はキャッシュレス決済のみ。小銭を用意したり、会計で手間取ったりする必要がなくなり、行列ができにくいというメリットがある。しかし、筆者が訪れた時、あるパビリオンでは初日から決済端末がトラブルを起こし、ぬいぐるみ1個を買うのにも待たされる事態になった。
支援制度が必要
『キャッシュレス経済』(文眞堂)などの著作がある、東洋大学教授の川野祐司さんは、こう語る。
「観光地などでは今も現金のみを貫いているお店もあります。確かにキャッシュレス決済の手数料を考えると、現時点では現金のほうが圧倒的に安い。しかし、(金融機関での両替手数料など)現金のコストがだんだん上がっていくと、一度は現金のみに戻した店も、キャッシュレスを再開するということはあり得ます。いずれにしても、政府がキャッシュレス決済をすすめるなら、小さなお店に対しては、支援制度が必要だと思います」