
地元・大阪を舞台とするドラマ「ロンダリング」で、単独初主演を務める。人々の人生にまっすぐ寄り添う姿には、藤原自身の姿も見え隠れし──。AERA 2025年7月14日号より。
【写真】“死者の声が聞こえる”役を演じる、なにわ男子・藤原丈一郎さん
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「正義感があるところですね。駄目なものは駄目!と思うところ」
3日にスタートしたドラマ「ロンダリング」で、主人公の緋山鋭介との共通点を問われると、藤原丈一郎はやわらかい笑顔できっぱりと答えた。
“死者の声が聞こえる”という特殊能力を持つ、売れない俳優の緋山が、非業の死を遂げた人々の人生に寄り添い、奮闘する社会派ミステリーで、藤原演じる緋山の「いちばんの魅力は、本当にまっすぐでピュアなところ」だと語る。
「一癖も二癖もある人たちのなかで、強い信念を持っている緋山だからこそ感じられることや、言える一言がたくさんあった。だから、正義感をすごく大事に、いちばんに心掛けながら演じさせていただきました。
自分の人生と似ている部分も、逆に離れている部分も、緋山らしさをどう出せるのか、っていうことを意識しながら撮影に挑みましたね」
自分がされて嫌なことはしない
本人は「似ている部分がないから、普段の自分とは違うからこそ、演じられることもあるし、それがたぶんお芝居の楽しみでもある」と語るが、今作の緋山と藤原には、印象が重なる点がじつに多い。
例えば藤原は、言う必要があると感じたことは、言いにくいことでもおそれずにきちんと口にする。怒るでも責めるでもなく、自分の信じる思いをまっすぐに伝える姿は見習いたくなるほどだ。
「僕が注意をするときは、できるだけ端的に言うようにしています。ただただ1時間2時間説教は、ほんまに自己満(足)だと思う。何が駄目だったのか、もっとこうしたほうがよかったんじゃないかな、ということを端的にちゃんと伝える。そこからの意見交換は大事ですけど、一方的にこっちのストレス発散で怒るっていうのは違うと思うんです。